万博 未来を、おもろく

読売新聞大阪本社版朝刊

大屋根中心に三つのエリア

2025年大阪・関西万博は、新型コロナウイルスを乗り越えた先の「新時代の国家プロジェクト」として位置づけられている。

万博の運営組織「日本国際博覧会協会」(万博協会)が昨年12月に公表した基本計画では、施設配置や展示方針が示された。

四方を海に囲まれた会場(155ヘクタール)には、1周約2キロの環状の大屋根(幅30メートル、高さ12メートル)が、部分的に海にせり出した形で整備される。大屋根の上を歩くことが可能で、来場者は瀬戸内海を一望できる。

会場は、大屋根や各国・企業のパビリオンが集積する「パビリオンワールド」、水上イベントが実施される「ウォーターワールド」、トークライブやフォーラムを開く屋外イベント広場がある「グリーンワールド」の3エリアに分かれる。

会場の中央付近は「静けさの森」として、来場者が休憩できる緑地となる。

「未来社会のショーケース」に見立てた場内では、脱炭素や空飛ぶクルマなど最先端技術を導入。仮想現実(VR)技術を駆使した「バーチャル万博」では、自分の分身となるキャラクター「アバター」を使い、オンライン上で、パビリオンを疑似体験できるようにする。

会場建設費(最大1850億円)の内訳は、パビリオンや大屋根の建設に1180億円、電力、下水、通信などの基盤整備に670億円で、国、大阪府・大阪市、経済界が3分の1ずつ負担する。運営費は809億円を見込む。パビリオン建設は23年度に始まる。

会場への交通手段は、シャトルバスや自動車のほか、大阪メトロ中央線を延伸して、夢洲(ゆめしま)駅(仮称)を建設する方向で準備を進めている。前売りチケットの販売は23年度から始まる予定。

SDGs達成へ 「チームエキスポ」

万博は、温暖化やエネルギー問題など地球規模の課題解決と、持続可能な社会の実現に向け、世界中の人々と考える舞台ともなる。

その一環として、万博協会は、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するため、昨年10月から「TEAM EXPO 2025」プログラムをスタートさせた。

このプログラムは企業、教育機関、国、NPO法人、個人など多種多様な団体・個人が参加し、理想としたい未来社会の実現を目指す取り組みで、規模や種類は自由。例えば「ロボット技術で少子高齢化や地方の過疎化を解決する」といった活動内容を「共創チャレンジ」として協会に登録する。賛同する企業や自治体などは「共創パートナー」として、情報発信や資金面などで活動を支援していく。

今年2月末までに、共創チャレンジは69件、共創パートナーは42団体が登録しており、読売新聞大阪本社も参加している。

読売新聞では農業機械大手「クボタ」のサポートを受け、大阪大の学生らとチームを結成。「水」をテーマにした中高生向けのSDGs教材の制作を共創チャレンジに登録し、昨年11月から活動を始めた。大阪市の繁華街・ミナミを流れる道頓堀川の水質浄化の取り組みについて、阪大生が市や地元商店会に取材・執筆し、冊子にまとめた。

冊子はタブロイド判カラーの計8ページで、阪大生による井上万博相へのインタビューや、絶滅危惧種の淡水魚「ニッポンバラタナゴ」を保護する私立清風高(大阪市)の活動なども掲載。事前に申し込みがあった大阪府や兵庫県、愛媛県などの中学校と高校計65校に教材として2万2000部を贈った。

ARTICLE 挑む
KANSAI
特集一覧